会長ご挨拶
会長ご挨拶
第19回
日本小児耳鼻咽喉科学会
総会・学術講演会
会長 竹内 万彦
第19回日本小児耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会を開催させていただけることを大変光栄 に存じます。前回の学会から期間が短かったにも関わらず,96題の一般演題(口演77題,ポ スター19題)を応募いただきました。開催に際しまして,ご指導・ご鞭撻を賜りました役員 と学会員の皆様に厚くお礼申し上げます。
これまで私は長引く咳嗽の児や聴こえに関連する疾患を有する小児を主に診てきました。 このような小児を診療する際,耳鼻咽喉科領域の問題以前に小児について知るべきことが多 く,それを理解しておくことが大切だと感じていました。また,小児を診療するに当たり, いつも念頭に置いていたのが患児たちの将来のことでしたので,「こどもたちの健やかな未来 のために」を今回の学会のテーマにいたしました。
おとなに比べて非力なこどもたちを守ることが大切だと考え,特別講演では事故による子 供の傷害の予防にかかわってこられた山中龍宏先生(緑園こどもクリニック)に「こどもの 気道異物を減らす」について,共通講習(倫理)として木下あゆみ先生(四国こどもとおと なの医療センター)に「診療現場で取り組む虐待予防~連携の『のりしろ』をひろげよう~」 についてご講演をしていただきます。
水足邦雄先生(防衛医大)に「イヤホン難聴・ヘッドホン難聴からこどもを守る」について, 成島三長先生(三重大学形成外科)には「小児頭頸部の形成外科治療」について教育講演を お願いしました。また,神谷 元先生(三重大学公衆衛生・産業医学)には国立感染症研究 所感染症疫学センターでのご経験を踏まえ,共通講習(感染)「COVID-19 現場対応の経験か ら今後の地域の感染症対策を考える」をお願いしました。
パネルディスカッションでは,「発達障害にみえる難聴児,難聴にみえる発達障害児」を取 り上げます。また,シンポジウムでは,「小児難聴-いつ,誰に,何を,どう伝えるか-」と「ど う診る?子どもの咳・喘鳴」を組みました。
感染症分野の合同セミナー「小児急性鼻副鼻腔炎診療の“ リアル”」とダイバーシティ推進 委員会の企画「働き方改革,みんなの疑問にお答えします」を企画しました。
上記の企画と一般演題を通して,今回の学会が小児と小児耳鼻咽喉科について改めて考え る機会となり,参加者にとって有益なものになりますようにと考えております。会場のシン フォニアテクノロジー響ホール伊勢(伊勢市観光文化会館)は近鉄宇治山田駅の直近にあり ます。ここから伊勢神宮の内宮,外宮もそう遠くはありません。皆様の伊勢へのお越しを心 よりお待ちしております。